令和8年度の報酬改定、今から準備しておけばよかった——とならないために
令和6年度(2024年度)の診療報酬・介護報酬の同時改定から2年が経ち、令和8年度(2026年度)の改定が目前に迫っています。「どんな内容に変わるのか」「自事業所の算定に影響はあるか」と気になっている管理者の方も多いのではないでしょうか。
改定内容の把握だけでなく、「最新の制度書をどうやってAI活用できる形にするか」という準備も、この時期にしておきたいポイントです。今回は、改定直前にやっておくべきことと、スキャン代行業者の活用方法を整理します。
令和7年度版の本は買わないほうがいい理由
令和8年度改定の内容が確定するのは、通常、改定年度の2〜3月です。つまり令和7年度(2025年度)中に出版された制度書は、令和8年度の改定内容を反映していません。
改定前の内容をAIに読み込ませても、「古い基準で回答される」という問題が生じます。特に加算の算定要件や届出基準は年度によって大きく変わることがあるため、改定後に発行された最新版を入手することが基本です。
一方で、改定年度版の書籍が書店に並ぶのは例年5〜6月ごろです。改定内容を素早くキャッチするためには、まず厚生労働省が無料公開しているPDF資料を活用することをおすすめします。
厚生労働省の無料PDF資料を活用する
厚生労働省のウェブサイトには、改定にあわせて以下のような資料が公開されます。
- 診療報酬改定の概要資料(点数表・告示・通知)
- 介護報酬改定の概要資料(サービスコード表・算定基準)
- Q&A(疑義解釈)の第1・第2報
これらは無料でダウンロードできるうえ、公布直後に公開されるため、書籍よりも早く情報を得られます。NotebookLMにこれらのPDFを直接アップロードすれば、改定内容に基づいた質問への回答がすぐに得られるようになります。
ただし、厚労省のPDFはレイアウトが複雑なものも多く、OCRの精度にばらつきが出ることがあります。重要な内容は必ず原文で確認する習慣を持つことが大切です。
書籍が出たらスキャン代行で素早くAI化する
改定後の書籍が書店に並んだら、スキャン代行業者に依頼してPDF化するのが最も効率的な方法です。自分でスキャナーを使うよりも精度が高く、300〜600ページ超の分厚い本でも数日〜1週間程度で納品されます。
主なスキャン代行業者の比較
代表的な業者としてBOOKSCANとBKS-BROSの2社があります。どちらも本を裁断してスキャンする「解体スキャン」方式で、原本は手元に戻りません。選ぶ際のポイントは価格・納期・OCRオプションの精度です。価格帯はどちらも1冊あたり数百円〜1,000円程度ですが、会員プランの有無やオプション料金で変わってきます。
OCRオプションは必須
スキャン代行を利用する際に、「OCR(透明テキスト化)オプション」は必ずつけてください。これを選択しないと、PDFは画像データのみになり、NotebookLMがテキストとして読み取れません。数百円の追加料金で精度が大きく変わるため、必須のオプションです。
発注時に「テキスト検索可能なPDF希望」「OCR処理あり」と明記しておくと確実です。
改定直前〜直後の黄金スケジュール
令和8年度改定を見据えた準備スケジュールの目安は以下のとおりです。
- 改定内容の告示・通知公表(2〜3月):厚労省PDFをダウンロードしてNotebookLMに投入
- Q&A第1〜第2報公表(4〜5月):疑義解釈をNotebookLMに追加
- 改定版書籍の発売(5〜6月ごろ):スキャン代行に発注
- 納品・PDF化完了(発注から数日〜1週間):古い資料と差し替えてNotebookLMを更新
このサイクルを習慣化しておくことで、毎回の改定のたびに「情報をどう集めるか」で悩む手間を省くことができます。
まとめ
令和8年度の報酬改定を前に、「制度情報をどうやってAIで使える形にするか」という準備を整えておくことが、管理業務の効率化につながります。厚労省の無料PDFで素早くキャッチし、書籍が出たらスキャン代行でOCR付きPDF化——この2ステップを意識するだけで、NotebookLMを最大限に活用できる環境が整います。
制度の変化に慌てるのではなく、「仕組み」として準備しておくことが、管理者としての余裕につながるのではないかと思います。


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